DCの出口戦略について考える

投資



厚生年金や国民年金のような「公的年金」の他に、自分で貯めるタイプの年金「確定拠出年金」があります。

これは自身で投資信託等の運用商品に投資して老後資金を増やしていくスタイルの年金です。この確定拠出年金には大きく分けて「企業型」「個人型(iDeCo)」の2種類が存在します。前者は勤め先の企業がこの制度を導入している場合には基本的には、加入者である個人と会社の双方で掛け金を出し合うことになる。一方「個人型」については、やるかやらないかは全て自分で決めることができる。

本日は、これら確定拠出年金の出口戦略、受け取り方について見ていきたいと思います。

<確定拠出年金の受け取り方法>

受け取り方は大きく3つに分けることができます。

1.一時金

2.年金

3.一時金と年金の併用

(いつから受け取ることができるのか)

原則的に、「60歳」から受け取ることができます。

しかし、60歳時に受け取るには加入期間が「通算で10年」以上である必要があります。

※iDeCo公式サイトより

<受け取る際の税金計算>

  • 一時金

一時金で受け取る際には「退職所得」として計算されます。

(退職所得の計算方法)

(<収入金額> ― <退職所得控除>) × <1/2>

<退職所得控除額の計算>

・勤続年数(加入年数)20年以下の場合

「40万円」×「加入年数」

・勤続年数(加入年数)20年超の場合

「800万円」 + 「70万円」 × (「加入期間」 - 「20年」)

上記の計算式に当てはめると、

加入期間が10年の場合は、「400万円」、

加入期間が30年の場合は、「1500万円」

が非課で受け取ることができます。

((注意点))

一時金で受け取る際、その他の退職一時金がある場合、それらを合算して控除額が計算されます。例えば、退職一時金を受け取った際に退職所得控除額を使い切っていた場合には、DCを受け取る際にその控除額を使えることができません。なお、この合算期間は受け取る前年より19年間がその期間となります。ですのでこの期間を20年間空けることで控除額を再度利用できるようになります。

  • 年金

年金で受け取る場合は「公的年金等控除」を利用することができ、引ききれなかった部分は雑所得として課税されます。

なお、雑所得はその他給与所得等と合算して所得を計算しますので、受け取る際にその他所得がある場合には所得税や住民税の計算にまた別途注意が必要です。

※国税庁ホームページより

  • 一時金と年金の併用受け取りの場合

一時金部分は退職所得、年金部分は雑所得として計算されます。

<上手に受け取るには>

まず、一時金の場合で受け取る場合は前述の通り退職一時金を受け取り、更に確定拠出年金を受け取る場合には期間を20年空けないとフルで控除枠を受けることができなくなります。しかし、受け取る順番が先に確定拠出年金の場合だと、その期間は4年間となります。現状のルールにおいては確定拠出年金は早くても60歳からしか受け取れませんので、退職一時金が65歳時に受け取れるとするならば、確定拠出年金を先に受け取っておくことで控除枠を有意義に使えます。

一方で、年金で受け取りをする場合には先述のその他の所得の合算の他に口座管理手数料や給付手数料がかかることも注意が必要です。

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