住宅ローン控除という言葉を御存じでしょうか。住宅を購入する際に金融機関などで住宅ローンを利用することで、その残高に応じて「税額控除」を一定期間受けることができる制度です。住宅ローンを利用している人は多く、また税額控除を受けられることからこの仕組みについては理解していた方が良いでしょう。
仕組み
正式名称を「住宅借入金等特別控除」というこの制度は、住宅ローンを組んで住宅を購入したり、増改築をした際に利用できるものです。控除できる金額や期間は異なりますが、基本的な仕組みとしては年末時点での住宅ローンの残高の1%を最大10年間税額控除できる、といったものになります。
例えば、2500万円の借り入れを行った際に、1年目の年末時点の借入残高が2000万円であった場合は、その年の控除額は2000万円×1%の20万円となります。また翌年年末の借入残高が1500万円となっていた場合は、その1%の15万円が翌年の控除額となります。
1年間に控除できる額の上限は40万円とされており、10年間で見ると最大400万円分の税金を削減することができます。
近年の動向
因みに、以下は余談になりますが
2022年の税制改正での住宅ローン控除は、控除割合が変更になりました。2022年1月以降に住宅の取得もしくは居住を開始した人は年末残高時点の控除に対して0.7%を控除するこができるというものです。一方で控除できる期間については13年間と変更になりました。上述の通り基本的には10年間であった期間(消費税増税の特例で13年間になっていた期間あり)については引き伸ばされる変更となります。
この背景は、今日の住宅ローン金利を見た時に、1%の水準をきるような非常に低金利で借りられるといった事情を踏まえての改正となります。住宅ローン控除の控除率1&と実際の住宅ローンを借り入れた際の金利(1%未満)とのギャップを利用して税金額を抑えようとした仕組みが行われることを防ぐ目的があったとされます。
このように住宅ローン控除の制度はその時の時代背景によって変更が行われてきていますので、常にその制度については確認をする必要があります。
因みに、今回の改正については既に借り入れが行われている人が対象になることはありません。
注意点
最後にこの住宅ローン控除の適用を受けるためには、初年度は確定申告が必要ということは注意が必要です。給与所得の源泉徴収票や金融機関が発行する住宅ローンの年末残高証明書が必要となります(その他、マイナンバーや土地と建物の謄本、不動産の契約書類等が必要)。
2年目以降については、年末調整を行うことで控除を受けることができるため、初年度のみ注意が必要となります。
まとめ
今回ご紹介した住宅ローン控除は金額が大きいものであり、なおかつ税額控除ができる点、また「住宅」という馴染みのある制度であるため非常に身近な制度であると言えます。制度について知っていると知らないとで大きく変わってくると思いますので、しっかりと押さえておく必要がありそうです。
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